イマジナリー彼女から自分で作ったケーキを貰って食べた

こんにちは!どうも、ムーです。

この前友達とカラオケに行った後に備え付けのゲーセンに行き、アイドルマスターシンデレラガールズのアナスタシアちゃんに6000円使い、結局取れませんでした。

ガンバライジング以上にここまで百円玉入れて虚無になれるものってあるんですね。

 

さて2月14日と言えば世間では

 

バレンタインデー

な訳ですよ

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なぁオタク、ソシャゲで推しの子からチョコレート貰う日だと勘違いしてないか?

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最高に可愛い。

 

 

僕はこの方彼女どころが親や親戚以外の他人からバレンタインデーにチョコレート的なものを貰ったことがありません。

いつもクラスのイケメンがクラス中の女子からチョコレートを貰ってヤレヤレ……的な表情をしているのを指を咥えて見ていました。

だけど俺だって!俺だってチョコレートが欲しい!!!!!!!!

欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい!!!!!!!!

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でも今の状況では当然貰えそうにない。

ならどうすればいいか。

 

妄想するしかない

妄想力なら僕は県代表として全国大会に出場できる自信がある。

高校生の数学の時間は寝るか、問題を解くフリをしてテロリストが授業中にクラスを占拠した時の対処法ばかり妄想していた碌でもない人間だった。

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(まずは机で銃弾を防ぐやつ)

高校生の時を考えると少し妄想力は落ちているはずだがそれでも世界と張り合える実力は持っているだろう。

 

まずは妄想彼女を作成する。

イマジナリーフレンドならぬイマジナリー彼女である。

お前らに見えなくても俺には見えてるから……

この為に僕は1週間程イマジナリー彼女の設定を煮詰めてきた。これだ。

 

千代個貰 零子(ちよこもらい れいこ)ちゃんだ。

正直名前はネーミングセンスがないのでこれにした。考えついた時は違和感しか無かったが、1週間もこの子の事だけを考えていると不思議と愛着が湧くものだ。

年齢は17歳、血液型はO型。身長は170cm。短髪で少し日焼けしている。

男勝りな性格で少し不器用。僕と幼なじみで家が近いこともあり遅刻ぎみな僕を朝起こしに来てくれる。

陸上部のエースで毎日のように朝練に励んでいる。なので僕が零子と一緒に学校に行くことは少ない。

いやお前もう大学生だろとか色々ツッコミどこらが激しいが妄想にツッコミを求めてはいけない。突っ走る力だけが必要なのだ。

 

イマジナリー彼女は脳内で完成した。

次は渡すブツが必要である。

出来合いのチョコレートを買ってくるのもいいかと考えたが、それだと貰った時の嬉しさ半減である。ならどうすればいいか。

 

自分で作ろう

買ってきました

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完全に失敗してしまうのが怖かったのでパウンドケーキ専用の粉を買いました。多分ホットケーキミックスで大丈夫だったと思う。

初めてのお菓子作りだけどまぁ大丈夫でしょ。

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チョコレートを湯煎する為にみじん切りにする。

僕はアニメとかで不器用なヒロインが主人公の為にチョコレートを作って渡す時に手に絆創膏はってる演出が死ぬほど好きなんですけど多分あの切り傷ってここで出来てるんですね。なるほどなぁ。

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チョコレートを湯煎しながら粉とか卵とかバターとか色々混ぜる。

2つ同時にやってたからめちゃくちゃ危なっかしかった。

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焼く。170℃で45分と書いてあったが、家の約12年以上現役のオーブントースターは180℃で25分までしか焼けなかった。なので25分+10分にすることに

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完成。焼いている途中で思いつきでチョコレートを散らしたのが焦げたが、これも作戦のうちである。不器用で男勝りな零子が綺麗にお菓子を作れるはずがない。

 

さて、彼女とブツは完成した。この後はとにかくバレンタインデーを意識しない事だ。

自分が作ったと意識してしまえば、たちまちこの妄想は崩壊してしまう。

そのため僕は一生懸命この日を過ごした。

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スマホでソシャゲをし

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バイトで日銭を稼いだ。

 

そして、次の日……

今日は2月14日。バレンタインデー当日である。そんな日にも関わらず僕 ムーは寝坊してしまった。

「やばいやばい!もう8時過ぎじゃん!学校行かなきゃ!」

学校まで走っていくことが確定しているが、何かお腹に入れないと力が出ない。ふとテーブルを見るとそこに見慣れないものが置いてあった。

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「あれ……?これ……まさか……零子が?!?!?!?!?!」

まさか。そんな、ありえない。毎年のバレンタインデーはスーパーで買っていた出来合いのチョコレートだったはずだ。

もしかして……この前友人のAと話していた

「女の子の手作りお菓子って憧れるよな〜」って会話を聴いていたのか?!?!

そんなことを考えながらケーキを1口、口に運ぶと少し焦げてしまったのか、ほろ苦さと素朴な甘さが口に広がる。僕は彼女の不器用さと優しさに嬉しくなりながらケーキを食べ終えるのだった……

 

こんな感じで僕の2月14日の朝食は完了した。

マジでやばいと感じたのが、食べ終えた時謎の喪失感が襲ってきたことだ。アレ?俺はネタで零子のことを考えていたはずだがこれまでの工程を経て、彼女を本物の存在だと認識していた……?

 

そして虚無になりながら僕は今これを書いています。たとえ偽物だとしても、彼女が僕にくれた思い出は本物だと信じている。

 

 

おしまい。

 

 

 

 

辛い……