〜入院中に芽生えた奇妙な友情〜スタンド・バイ・ミー

こんちは!

一教科の対面授業のためだけに毎日学校に行くはめになっているムーです。

あほくさ……

 

みなさんは入院したことありますか?

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出たァ!シャークさんの入院コンボだァ!!

アニメで入退院しまくった結果、遊戯王カフェのメニューで療養食が提供されるシャークさん、ほんと大好き

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何か怪我をしたり病気を患った時に入院すると思うんですけど僕の場合は高校三年生の初夏に

部活動の(水泳部)陸トレ中に膝の皿がズレ、膝の軟骨と骨をすり減らしてヒビを入れたことによるものでした。ダサすぎないか?

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当時の僕は初の入院ということでテンション上がってて草

 

そうこうして入院し、膝の手術を終えた僕は3週間とちょっとという1ヶ月近くの間四人部屋で入院生活を送ることになりました

正直、クッソ不安でした。

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WiFiは無いし風呂は自分で入れねぇし四人部屋で周りはみんなおっさんだし……ということで

不安の中始まってしまった入院生活、最初の頃は毎日の飯の実況するぐらいしかやることがありませんでした。

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今見てもクソ不味そうで笑ってしまう。マジで魚系等は美味しくはなかった。

飯と昼寝とスマホ以外やることなくなった僕は同室のおっさん達を観察し始めた。

 

・同室のおっさんその1

土方のおっさん。

スノボで膝軟骨が逝き入院。彼女がいるのに看護師を口説いている。看護師に膝を伸ばしてもらうストレッチをする時出産か?と思うレベルの声で呻く。

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ちんこ見られて恥ずかしかったのは"マジ"

若い看護師さんと最初の頃風呂一緒に入って服とか包帯とか替えてもらってたの、ほんと恥ずかしかった……男の看護師さんいるじゃん!なんで!?

・おっさんその2

土方のおっさん。趣味が幅広く水泳にスノボ、バスケに編み物までこなす多趣味人。髪を編んでおり浅黒のためめちゃくちゃ遠目に見るとちょい太めのジャックスパロウに見える。

僕の近所に住んでいた。

入院中に葉巻を吸って酒を飲んでいたので傷の治り具合が半端なく遅かった。

奥さんがめちゃくちゃ男気あっていい人。

 

そんな愉快なおっさん達と手探りながらも関係を深めていった。

それまで1人で食う飯が3人になり、夜は消灯まで(まさかの9時消灯)雑談やトランプを楽しんだ。

毎度毎度騒ぎまくってたので看護師長からはめちゃくちゃキレられていた

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(最初の頃はこんなおっさんにムーくんは毒されちゃダメよ〜って感じだったけど後半は普通に怒られてました)

 

昼寝とスマホに飽きた僕達は病院の隣のクソデカ市民公園で病院から脱走し遊ぶようになった。公園の段差で車椅子がぶっ倒れたりするアクシデント等があったが、僕はサッカー場でサッカー部が練習してるのをぼーっと見てたし、偽ジャックスパロウはずーっと葉巻を吸いながら日向ぼっこをし、妊婦(おっさん)は彼女と散歩していた。

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そうして個々人が楽しんでいたが、僕達の心は1つだった

 

油っこいものが食べたい……!

そう。僕達は薄味の魚のソテーばかりの食事にもう飽き飽きしていたのだ。

特にラーメンが食べたかった。病院で出てくるのはせいぜいがうどんぐらいのものでラーメンなどという健康に悪いものは出てこないのだ(カレーうどんは正直うまかった)

 

幸い、ラーメン屋は病院の近くにあった。だが……

その距離、約200メートル……っ!

歩いていく分にはなんの支障もない距離っ……!だが俺達は車椅子っ……!病院に隣接している病院とは違って200メートル……!絶妙に長いその距離……!バレる……!看護師にバレなくともラーメン屋にバレる……っ!

明らかにおかしいっ……!車椅子1人ならともかく3人……っ!補助人もいない……っ!完全に脱走者……!

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室番号3061の室員、絶望!やはり入院中にラーメンなんてもの食べられないと知り、絶望!

 

たがこの絶望をうち払ったのは我らが船長、偽ジャックスパロウであった。

偽ジャック「俺の奥さんを補助人として連れてこれれば行けるか……!?」さすが船長。

乗るしかない。このビッグウェーブに。

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乗るしかない。このジャックスパロウの案に。

 

そして……ついに決行の日を迎える。

その決行の日は僕の退院日を明日に迎えた日の夕方4時半であった。

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4時半になり、僕達は1人ずつエレベーターを

使って降りていく。僕達は既に看護師さん達から目をつけられているので3人まとめて降りると絶対に止められてしまう。それを阻止するための措置であった。

 

合流した僕達はゲラゲラ笑いながら200メートルを爆走する。この入院生活を経て僕達の車椅子の運転技術は格段に上昇していた。

すごく楽しかった。

そして僕達は無事にラーメンにありつくことができた。

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正直なところ味今振り返ると味そこまでだった気がしたがこの時ばかりは世界でいちばん美味いと感じた。

まぁ味なんかどうだっていいのだ。僕達がここまで仲良くなれたのがすごく嬉しかったから。

 

退院してから2年以上経って入院生活が懐かしくなってしまった。

あの愉快なおっさん達は今どうしているだろうか。引っ越してらしいが元気にやっているだろうか。

今度LINEでも送ってみようと思う。

 

おしまい。

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